カイゼンジャーニーを読んで
とある人のススメでカイゼンジャーニーという本を読みました。
様々なフレームワークや手法が紹介されているので中々に面白かったです。知識として種になりました。
本書で一番印象に残っているのは、冒頭で外部の取り組み事例をそのまま自分たちの現場に当てはめるなと注意していたことです。
ちなみに私は主にインフラの運用に関わってきたので、開発のことは詳しく知りませんが、改善については共通する大切なポイントはだいたい同じでした。
私もこれまで業務改善に取り組んできたのですが、一番大事なのはやはり「見える化」だなと。
誰が何をやっているのか。
誰がどんなことを得意としているのか。
誰が誰と仲がよいのか、悪いのか。
このタスクは誰のためのものなのか。
このタスクの目的とゴールはなんなのか。
etc...
私たちを取り巻く環境を見える化して、大事なことに気づけるようにすることが全ての始まりで根幹だと思います。無駄な作業を排除するにしても、それが排除して問題ないものだと見えていなければ、気づけないですし。
あと見える化されていると、情報の共有速度が速くてコミュニケーションのコストが減るんですよね(いい意味で円滑になる)
ただ、見える化はやればやるほど情報が湧いてくるので、コントロールできないと情報洪水を引き起こして混乱状態になります。
なので、必要な情報だけ目に入るようにする仕組みだったり、上手く治水する仕組みづくりが大切だなと。
過去に身をもって学びました。
見える化と情報の治水が上手くできていれば、話題の手法とかを無理に取り入れる必要はありません。むしろ、取り入れたことによって情報の治水が上手くいかなくなることもあります。
フレームワークやメソッドは、あくまでツールです。
ツールは簡単に誰でも使い始めることはできるかもしれませんが、使いこなすために高いレベルを要求してくることもあります。
(例えば大工さんが使うカンナ。使い始めることは簡単ですが使いこなすのは難しいと何かの例え話で聞いたのを思い出しました)
あと、本書のストーリーで出てきた江島のチームは、ツールを試して評価して必要に応じて切り捨てるのが上手かったです。
このようなチーム環境はとても貴重ですし、ここが一番のチームの武器だったように思います。
ダラダラと書きましたが、本書はたくさんの手法を紹介していて、知識面でとても参考になる事例が多かったので一読の価値は十分にあります。
ただ、本書で得た種(知識)が自分の中で発芽するにはまだまだ知能面でレベル上げをしないとなぁと感じました。
(私の知能レベルがまだまだ低いので)
2019/4/4 追記
そういえば昔、WBSや詳細設計書やUML図などなどの資料も道具なのだという話を誰かから聞いたような気がします。
当時「なれる!SE4 誰でもできる?プロジェクト管理」を読んでいたこともあり凄く共感したのを覚えています。
あと誰だったかほんとに覚えていませんが、プロジェクトをバイクに例えて、プロジェクト管理はバイクチューニングと同じだという人がいました。
補助輪を付けると転ばないけど、重量が増えるしスピードが出せないとか。
スピードだけ意識しすぎると、コケたときに大事故になるとか。
低速域が一番コケやすいので程よいスピードで走り抜けるのが良いプロジェクトなんだとか。
大事なのは、やりたいことと制約を理解した上でコケずに走れる最適なバイクをチューンすることだと仰っていましたね。
結構シンプルな発想なんですが、シンプルなものほど核心をついていて重要だと思います。
そんなことをふと思い出したので、残しておきます。