うなじと絶対領域++

いらにかのブログです。更新は不定期。

2020年上半期ゲーム回顧録~俺不可視レビューが本命~

今年の春先にこんなツイートをしていました。

 


いらにか🌸( ᐛ )و🍆 on Twitter: "不可視の薬と数奇な運命、終わりました。 そのうちブログにでも感想書こうかなと思います。… "

 

もう八月ですよ…

エロゲの他にも気がつけば色々なゲームをプレイしていました。

というわけで、プレイしたゲームからいくつか振り返っていきます。
文章能力については仕様なので、ご容赦ください。
(インビジブルは最後に書きます)

 

 

 

9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと


『9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと』OPムービー

 

 

9-nine-シリーズ4作目。通称ゆきいろ。
2作目のそらいろから入って、分割リリースで価格的にもプレイ時間的にも手が出しやすいのでずるずるシリーズと買い続けてます。毎年1作ずつは追いやすくていいね。

ましろ色シンフォニー(アニメ版)で知った和泉つばす先生が原画だったり、大好きな声優の沢澤砂羽さんがヒロインとして出演してたりするのも好感ポイントなんですが、個人的にシナリオがちょうど良くて好きです。

すごく言語化しにくいのですが、この9-nine-シリーズは100点のシナリオではなく90点のシナリオが正解なんだなと思った作品でした。なんというか神話や不思議体験って「理屈の範囲外で物語が進んでいく強引さ」みたいなものがあって、見方によれば粗いと思うかもしれないけどこの作品だと妙にしっくりくるというか。ほんとに主観なので、この点は是非プレイして確かめてみてほしい。
1作目だけだと不完全燃焼感があるので、ぜひそらちゃんがヒロインの2作目までやってね。

さて、脱線はここまでにして今作のゆきいろの話を。

原画や声優陣は豪華キャストで、シリーズ前作の流れを引き継ぐ「ゆきいろ」の評価はほとんどストーリーに左右されるといっても過言ではないはず。

ぶっちゃけ、これまでの3作で結城はヒロイン感があまり無く、正直なところ好きになれるのか心配でしたが、Tシャツですべて持っていかれました。クールな結城があんなに可愛いとは…

そしてクライマックスの展開。あれは熱かった。あれだけの理不尽と絶望を嫌になるくらい何度も何度も経験して、ぶっちゃけプレイしているのすら辛かったけど、それでも希望を……(思い出し泣き)

過度にネタバレして楽しみを奪いたくない作品なので、色々書きたいことがあるけどこれくらいにしておきます。

ただ、ヒロインが4人なので今作でグランドフィナーレかと思ったけど続編が作れそうなので、ぜひとも今後の続報に期待したいです。

 

 

 

GRIS

 

Steamストアでウロウロしていたら見つけた作品。

個人的に雰囲気ゲーとか印象ゲーと呼んでいる部類の作品で、プレイを進めていってもストーリー等がまったく言葉で説明されない横スクロールアクションゲーム。
類似作品だとJoureyとかSkyとかに近いかも。

主人公は死なないし穏やかな世界観で起こる出来事を感じるままに感じて楽しむ作品。
グラフィックやモーション、アニメーションムービー、サウンド、謎の生き物。
すべてが芸術でアート。

説明がなくてもプレイできるようにゲームがデザインされているので、プレイで困ることは殆どない。むしろ説明がない分、色々と推察して考えて動く楽しさがある。

推察のヒントもわかりやすいようにデザインされているので、自然とエンディングに誘導されていく。

お使いゲーばかりやっている人は新鮮で面白いかもしれません。
個人的に雰囲気ゲーが増えてほしいです。

 

 

 

Little Witch Nobeta (リトルウィッチ ノベタ)

 

6月24日にアーリーアクセスゲームとしてリリースされ、ロリダークソウルというレビューがTwitterでバズった作品。

元々、台湾の美少女ゲー関連でパブリッシャーのSimonCreativeをフォローしていて、面白そうだし支援するかーと思って6月26日に購入した。購入時には既にロリダクソとしてじわじわ人気が出始めてたはず。

プレイしてみた所感としては、ダークソウルよりも間合いとか武器性能とかを気にせずライトに楽しめるゲームだなぁと。アーリーアクセスなので、ステージも隠しステージ含めて4つしかないから1周するだけなら初見で2時間かからないはず。その気軽さが良い。あと、周回すると敵が強くなっていくので周回プレイする楽しさがある。

ボスのターニアちゃんやモニカちゃんの攻撃パターンを体が覚えてきて、魔力吸収陣(カウンター)を自然と出すようになってくると更に楽しくなる。
結局、公開されている実績を全て集めるくらいやり込んだ。Any%で1周するだけなら簡単なので、RTAっぽいこともやってみたら30分もかからなかった。

ちなみにAny%だともう5分切ってたり。


【RTA】Little Witch Nobeta 04:57【Any% ADVANCED】(EA_v0.1103)

 

価格も安いし、キャラも可愛くてアーリーアクセス版でも十分に楽しめるので、友達にSteamで投げつけて布教した。そしたら、かわりにアサクリ オリジンズが返ってきました。

 

 

 

アサシンクリードオリジンズ 


『アサシン クリード オリジンズ』 シネマティックトレーラー

 

友人にノベタを投げつけたら、投げ返されて手に入れたゲーム。

クレオパトラとかユリウス・カエサルとか出てくる。

歴史考証がすごくて、もはや学習教材。ワールドもすごくリアルで、エジプト旅行している感覚。特に解説付きのディスカバリーツアーはこれだけでも金が取れるレベルで楽しめた。

個人的にはエジプトの宗教観とか死生観にふれるのが初めてで、とても印象に残った。ミイラについても「体の損壊を抑えて未来(の技術とか)で蘇りをできるようにする行為」と捉えると面白いなーとか、基本的に死や穢れを忌み嫌う神道と違って死を尊び敬うエジプト文化の対比とか、ストーリーやゲームシステム以外でも個人的にすごく楽しめた。

もちろん、アサシン教団の設立にいたるまでのアサシンクリード作品としてのストーリーも面白くて、主人公のバエクに共感して何度「バエク…」とつぶやいたことか。

戦闘システムはレベルさえ上げていけばちゃんとクリアできるので、サブクエストをちゃんと進めていけば難なくクリアできる。まったりプレイだけど、34時間くらいでメインシナリオをクリアできた。ただ、実績回収は友人が苦しみながら回収している様子を見ていて流石に苦行だと感じたので未回収のまま。いつか…いつかね…。

発売予定の新作は素直に興味がありますが、まずは友人に人柱になってもらおうと思います。

 

 

 

俺の姿が、透明に!? 不可視の薬(インビジブル)と数奇な運命


「俺の姿が、透明に!? 不可視の薬と数奇な運命」ティザーPV

 

 

フォロワーの某たけのこ先生が関わっているから買った作品。

エンドクレジットで名前を見たとき、思わず泣いちゃいました。

正直な話、HULOTTEというブランドは今まで知りませんでした。
好きな原画家シナリオライター、声優が絡むブランドはよくフォローしていますが「ゆずソフト」とか「ぱれっと」とかいわゆる有名ブランドばかりなので本当にきっかけがないと出会わなかったブランドかもしれません。ジャンル的も好んで買うような分野ではなかったので。

レビューの前に言っておきますが、僕はこのゲームをプレイして良かったと思いましたし十分に楽しめました。
レビューなので良し悪し等の思ったことも書きますが、レビューなんてたった一人間の妄言なので、戯言だと割り切って無視してください。
あとネタバレしますのでご注意を。

 

大まかなストーリー(公式から)

『用法・用量を守って正しく透明人間化しましょう!』

バーチャルネットアイドルの動画を見ていた主人公・待まつ雪ゆき晴はる季き。
その配信で突然、視聴者に向けた抽選が行われることに。
当選するとその賞品として──

『な~んでも望みを叶えてあげちゃうスペシャルな権利をプレゼント!』

とりあえず応募した晴季だったが、結果はなんと当選!
アイドル本人からメッセージが届く。

『今からそちらに行くので、シクヨロ♪』

すぐに鳴ったチャイムに呼び出されて、玄関に向かうと
バーチャルネットアイドル・葛ノ葉チトセ(くずのはちとせ)が待っていた。
そこで晴季は謎の薬を手渡される。

「え、えっと、なにこれ……?」

「ズバリ! 飲むと透明人間になれちゃうおクスリって寸法よー! イエイ!」

「感想聞かせてね~!」と、満面の笑みで去っていくチトセに途方に暮れる晴季。
怪しみながらも早速試してみたところ、本当に鏡に映らない!

そこで、最近ツンツン冷たくされている従姉妹・亜芽あめのお風呂に侵入する。
凄まじく美味しそうに育ったその身体を存分に拝見したところ──

「好きです、兄さん」

そんな告白を聞いてしまい、思わず彼女に触れた瞬間!
なんと姿が現れてしまって大変なことに!

しこたま怒られながらもイチャイチャしつつ、
彼女と共に用法を確認していくと……

■効果 :身体の透明化
■用量 :一日一錠まで
■注意 :人体に接触した場合、効果解除
それまで面白いことを求めて過ごしてきた晴季は、これこそが刺激であると大喜び。
亜芽は早く真人間に戻さなくてはとおおわらわ!

これは、そんな従姉妹や学園の人々にちょいちょい怒られながらも楽しく過ごす。
青春サイキックハートフルストーリーです(!?)

 

 

ストーリーの雑な感想(ネタバレあり)

主人公の晴季が過去に川で事故にあって胸に大怪我をしていて、それが原因で今でも運動とか控えている。特に川はトラウマになっていて過呼吸とか起こす。この設定がシナリオの中心にある。

雑に全体のストーリーをくくると、過去のトラウマを克服する王道展開がメイン。よくある展開なので他作と比べると稚拙に感じるかもしれないが、個人的にはヒロインの魅力を損なうようなことにはあまりなっていない印象で、シナリオの評価は普通くらい。出来が悪く価値が乏しいという意味での「駄作」とは思わないが、良作とは言い難い(あくまでシナリオ面において)。

あと、ヒロインに対して不可視の薬で覗きとかする主人公の倫理観はちょっと擁護しにくい。この手の覗きイベントは主人公の周りがけしかける外部起因で起こる故に、主人公には非がなかったりするから嫌悪感を抱きにくい構成になっている。ToLOVEる のリトさんは”不可抗力”だから許されてる。アレがわざとだと伊藤誠になってる。

一方でAV等の覗きは背徳感に魅力があるだけで、大抵のケースでは男優に好感を持つことはない。特に亜芽のシナリオだと、もう背徳感や罪悪感の欠片すら感じていないし…。更衣室で七夕莉のアレを覗き見る「情景」はAVと同じで価値があるが、その分だけ主人公は背徳的な存在でユーザに嫌悪感を持たれるだけだなーと思った。純愛系だと主人公の好感度も大切だと思うし、キャラゲーや純粋恋愛ゲーが好きなエロゲユーザは真面目で潔癖な印象があるので、大抵の人には共感されにくくてマイナス要素に働いてそうだなと思った(もちろん主人公よくやった!!派もいるはず)

ともあれ、個人的な妄想としては悪魔とか悪霊を倒すために不可視の薬でエッチないたずらしないといけないとか、外部からの強制力で”仕方なく”悪事に手を染めるシナリオのほうが主人公には共感が得られてよかったのかなと思います。まぁタラレバほど不毛な意見はないのですが。

 

 

亜芽√

怒りながらも、主人公の風呂覗きを許してくれる幼馴染の従姉妹。ツンデレというよりもツンチョロ。
ボディがとても豊満で、フトモモ派とお胸様派が手を取り合って十字軍結成して、それにお腹騎士団も合流して聖地エルサレムに派遣されるんじゃないかってくらい、すごく豊か。個人的には恥ずかしがる表情とか、感情と表情がすごくわかりやすく描かれていて誰にでも理解されやすい(嫌われにくい)キャラクターとして描かれているんなんだと思った。

ストーリー展開では、晴季が過去に負った傷が亜芽を庇ったせいで、亜芽自身はそのことに負い目を感じていて、自分は恋人にはふさわしくないと晴季の告白を拒絶する。でも、体の関係は許してくれてセフレっぽい関係が続く。このセフレっぽさが少し引っかかったけど、それでも献身的な姿勢や純粋さがあったおかげで、嫌いにはならなかった。

 


七夕莉√

(物理的に)小さいけど(心の器的に)大きい生徒会長。個人的に一番好きなキャラ。
見た目とかノリとかに子供っぽい感じがあるけど、個人的に憧れる大人って童心をもってるというか「子供が憧れるような存在」なのですごく好み。

初見だと受け身で自制心があるようなイメージだったけど、お泊りデートで誘って来きたり積極的で天真爛漫というか、自分に素直に生きているその姿勢が眩しくて惹かれる。えっちに積極的なのも、行為が好きというより「好きな人とのエッチ」が好きみたいな感じが伝わってきて卑しくはない。むしろ愛情が重い分、純粋で潔癖なのかも。

ストーリー展開では、主人公に好きと言わなかったりする理由にスポットライトがあてられますが、個人的には「ふーん」くらいで可もなく不可もなくといった感じ。亜芽と同様に恋人としてイチャイチャするのを引っ張る理由があるのかなーとは疑問に思いました。

子供を沢山つくってイチャラブ幸福人生を歩んでほしいヒロインです。SSがあったら読みたい。

 

 

琥珀

メモ魔の有能クラスメイト。生徒会の臨時書紀として頼られたり、本人も頼られるのが嫌ではない様子。クール美人で、罵声浴びせてくるときの表情がすごく好きです。

個人的に見た目が凄くタイプですごく刺さる。私服のファッションセンスとか「なんで僕の好みを知ってる!?」みたいな感じで、まるで山本昌に内角ギリギリに高速スクリューをねじ込まれて空振り三振した感じです。黒のショートパンツと薄手の淡いミントグリーンのパーカー、水玉ワインレッドの丸襟インナーと白基調に襟にダーツラインを入れたVネックのオーバーで胸のラインの流れシュッと締めていて、でもそれが真下ではなく少し手前にくるような印象があって胸の影がすごく自然。みぞおちの高さにあるアクセサリーの鍵が更に下へと視線を誘導し、差し色のオレンジ色ベルト、ショートパンツのVライン、そして綺麗なフトモモと御御足に目が行ってしまう。絶対に「これが私の良さだから」って計算してやってるよ…その通り正解だよ…。

ストーリー展開ではやっぱり鍵と二人の過去がキーになってます。薬の出番は控えめ。ベタなストーリーですが打ち解けていく流れとか好きでした。熱海とか海の近くの温泉旅館にお泊りデートしに行きたい。

 


冬羽√

後輩のギャルJK。1年生なのに生徒会書紀。明るく前向きな性格で、人生楽しく刺激的に、みたいな主人公と性格が似ているせいか仲がいい。

序盤は主人公に恋しているというよりも憧れている関係性で、最初から攻略済みで好感度MAXみたいな感じではなく、程よい距離感から始まるのがすごく良かったなと。
ストーリでは、ゲームとか友達みたいに一緒に遊んで仲を深めて、段々と距離が近づいていって気がついたら自然と好きになっている…という展開。「いつの間にか先輩を好きに…」みたいな変化にドギマギする冬羽が見られて、だんだんと恋をしていく女の子感が好きでした。こういうピュアな展開、控えめに言って大好きです。

他のシナリオと比べて余計なものが少ないというか、邪魔やマイナスに感じることが記憶になく恋愛シミュレーションゲームとして良いシナリオだったと思います。ギャルなのに恋にあたふたするピュアな可愛さや、過去ではなく現在から恋心がどんどん膨らんでいくシナリオが、プレイヤー的にも好感度を育んでいくのが楽しめて良かったです。

本編のシナリオだと他のキャラクターの印象が良くも悪くも強くて、ぱっとしない印象も持たれそうだなーとか思いましたが、公式のタペストリーで野外レコーディング(おといれ)してて、個人的に一番やべーやつだと思ってます。七夕莉の次に好きです。
生徒会組でハーレムしたいね!!

 


チトセ√

バーチャルアイドルとして大人気だけど、正体が謎に包まれた晴希の推し動画配信者。
突然、晴希の前に現れて不可視の薬をプレゼントするのだが、その目的は晴希を透明人間にすることだったのだ!!(ババン)

他ヒロインのシナリオでも謎が謎のままだったチトセだったが、あるきっかけで状況が段々と紐解かれていく。それが街角オナニー事件。
チトセは街角で自慰行為をしているところを晴希に目撃される。このあたりでチトセが透明人間であることや、晴希以外には直視できないことが発覚(動画配信などで他人は見える)。

実はチトセは大昔に存在した国の皇帝で、幼くして即位したことによる周りの重圧から逃げるように、仙人から勧められた不可視の薬に手を出した結果、不老不死で透明人間になってしまい……今に至る。
その事情を知り、チトセをなんとかしようと晴希が奮闘するのが本シナリオ。

よくある最後まで攻略ロックされたヒロインで不思議要素満載のお話。どうして晴希だけみることができたのか……それが数奇な運命だからです(個人的解釈)。
このあたりに説明を求める人もいますが、ぶっちゃけ説明にどんでん返しのような説得力がないなら、たまたまとかそれが運命という展開のほうが好きです。

今このレビューを書いているときに気づきましたが、地味に配信衣装のハイソックスと靴の柄が万里の長城をイメージしている気がする……。さらに良く見ると、衣装がチャイナっぽいモチーフを取り入れてて、それを気づかれないようにさり気ないデザインに昇華してて凄いなーと思いました。
プレイしているときは配信衣装が赤と黄色を基調としていて、某バーチャルアイドルっぽいなーという印象しか持てなくてすみませんでした。

 

 

おまけ

サブキャラクターのおまけシナリオ。
この手のゲームでハーレムシナリオとサブキャラシナリオがあるのは嬉しいですね。
お義姉さんの霧さんや、琥珀と共通の友達ポジションの紫緒との夢のようなお話ですが、ストーリー展開的には特筆するようなことがなにもないので割愛します。

ただ、おまけも含めてシナリオ全体のセリフや会話については悪いと感じた点があまりなくライターの文章能力は十分にあるなーと感じました。故に、設定やストーリー展開などの構成作家を立てて、ペース配分などQCがうまくできると良作が作れるだけの能力はあるんだろうなと個人的に思いました。まぁ、そこが一番難しくて良作が多く生まれない原因なのだと思いますが。

 

 

総評

キャラクターは可愛くて魅力的だし、美少女ゲーにおける美少女要素では良質な方だと思います。このゲームに求める楽しさ=[可愛い,えっち]、いわゆるキャラゲーとして評価すると満足できる水準だと思います。

ただ、ストーリーにおけるカタルシスが王道展開の「過去の克服」である以上、他の同系ストーリーと比較されやすく、相対的に質が低いと感じてしまうかもしれません。あと、主人公には共感がしにくかったです。

でもヒロインが魅力的だと感じられるレベルにはセリフ、イベント、流れは赤点を回避していて品質的には出荷OKで合格なのだと思います。

どれだけ可愛くて魅力的でも、主人公とシナリオで汚されて闇に消えていった作品があることを忘れてはいけません。もしあなたがそんな悪夢を経験をしていないのであれば、その幸運を神様とライターに感謝しましょう。ヒロインを汚さずに書いたライターは間違いなくプロの仕事なのです。

 

話は変わって、近年はDL販売や企業努力のおかげでミドルやロープライスの価格帯でも、ストーリーの面白い作品が増えました。過去の名作や台湾ブランド作品がスマーフとフォンやSteam向けに低価格リリースされたり、業界は段々と変化しつづけて競争は高次化しつつあるように思います。それらとコストパフォーマンスだけで競争しようとすると、本作はライトユーザには売れにくいのかもしれません。HULLOTEブランドの魅力は、今まで安定して魅力的なヒロインを生み出してきた努力で、メインターゲットはそれを評価しているコアユーザなのだと思いました。故に「誰にでも」はオススメしにくいかなと。美少女ゲーのコアユーザーで、新たにブランドを探している人にはオススメしてもいいと思いました。コーヒーの味がよく分かる人におすすめできるみたいな。

 

締めになりますが、
80対20の法則で言えば美少女ゲーム業界で広くプレイされる良作タイトルは20%しかなく、80%の作品は普通か駄作にカテゴライズされるでしょう。でもHULLOTE作品はレビューを見かけますし、キャラクターは20%に入れるクオリティを維持できているので、今後20%に入る良作が出てもおかしくないブランドだと思います。

 

個人的に某鍵から心が離れていて、新たなブランドを探していた最中に巡り合った経緯があり、数奇な運命を感じたので今後もHULLOTEは情報を追いかけようかなーと思いました。 

 

以上、回顧録でした。
有言実行、やり遂げたよ。

 

 

 

余談

HULLOTEの公式ツイッターをみたら次回作が鋭意製作中らしいので、苦手ジャンルでなければ購入を検討したいなーと思います。広報の「かたひと」さんのブログも個人的にツボなので応援したいブランドになりつつあります。
https://ameblo.jp/katahito-sp